設立のご挨拶

がん診療における診断および治療の進歩により、若年のがんサバイバーが増加しています。がん治療による妊孕性や生殖機能への影響は、人生を左右する大きな問題であり、治療前後におけるQOL(quality of life)の維持・向上は、重要な課題となっています。

患者の妊孕性・生殖機能温存は、世界的に出現してきた潮流であり、その背景として、体外受精が端緒となった目覚ましい生殖医療の進歩、配偶子・胚・性腺組織の凍結保存技術の革新があります。近年、妊孕性・生殖機能低下を伴う治療において、治療前の十分な情報提供や適切な選択肢の提示の必要性が認識されるようになっています。そのため、患者やその家族、原疾患の主治医、生殖医療専門医が一体となった社会的な取り組みが肝要です。

以上より、がん治療医、生殖医療専門医、メディカルスタッフなどが、情報交換や診療連携できる体制を整備して、患者支援の枠組みを構築することを目標として、大阪がん・生殖医療ネットワーク「Osaka Oncofertility Network (OO-net)」を設立しました。大阪府下で治療前の妊孕性・生殖機能温存だけなく、治療後の性腺機能障害への対応や生殖医療の実施などの問題に、日本がん・生殖医療学会と協力しながら、取り組んで参ります。本ネットワークが、一人でも多くの患者に、適切な情報および安全・安心な医療を提供することに貢献できれば幸甚に存じます。

平成29年12月3日

代表世話人
関西医科大学 産科婦人科 主任教授 岡田 英孝 
世話人
大阪大学大学院医学系研究科 産科学婦人科学教室教授 木村 正
事務局
JCHO大阪病院 産婦人科 診療部長 筒井 建紀
HORACグランフロント大阪クリニック 副院長  井上 朋子
JCHO大阪病院 産婦人科 産科担当部長 大八木 知史
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